KANRI / 2021 / 問1公式正解表どおり

民法・関連法令法令基準日 2021年4月1日

令和3年度(2021年)管理業務主任者試験 問1

Aが、Bとの間で、自己の所有するマンションの一住戸甲をBに売却する旨の契約を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。

  1. 1Aが、所有権を移転する意思がないにもかかわらず、Bと売買契約を締結した場合に、Bがその真意を知り、又は知ることができたときは、Aは、Bに対して当該契約の無効を主張することができる。
  2. 2Aが、所有権を移転する意思がないにもかかわらず、Bと通謀して売買契約を締結し、所有権移転登記を済ませた後に、BがAに無断で、その事情を知らない第三者Cに甲を転売した場合に、Cにその事情を知らないことについて過失があるときは、Aは、Cに対して、虚偽表示による当該売買契約の無効を主張することができる。
  3. 3Aが、Bの詐欺を理由として当該売買契約を取り消した場合に、Aの取消し前に、Bが、その事情を知らず、かつその事情を知らないことについて過失のある第三者Dに甲を転売していたときは、Aは、Dに対して取消しの効果を主張することができない。
  4. 4Aが、Bの強迫を理由として当該売買契約を取り消した場合に、Aの取消し前に、Bが、その事情を知らず、かつその事情を知らないことについて過失のない第三者Eに甲を転売していたときは、Aは、Eに対して取消しの効果を主張することができない。

正解 肢1

出典:令和3年度 管理業務主任者試験 問1。本サイトは非公式の学習サイトです。

解説AI解説

本問の論点

意思表示の瑕疵と第三者保護の要件を問う問題である。心裡留保・虚偽表示・詐欺・強迫のそれぞれについて、当事者間の効力と第三者に対する主張の可否を区別できるかが問われている。

正解の根拠

表意者が真意でないことを知りながらした意思表示であっても、相手方がその真意を知り、又は知ることができたときは、その意思表示は無効となる。肢1はAが所有権を移転する意思がないことをBが知り又は知ることができた場合であるから、AはBに対して当該契約の無効を主張することができる。よって、正解は肢1。

各肢の検討

肢1:正しい。相手方が悪意又は有過失であれば、表意者は無効を主張できる。

肢2:誤り。民法第94条第2項は虚偽表示の無効を善意の第三者に対抗できないと定めるだけで、無過失を要件としていないから、善意有過失のCに対しても無効を主張できない。

肢3:誤り。民法第96条第3項により保護されるのは善意でかつ過失がない第三者であり、善意有過失のDは保護されないから、Aは取消しの効果を主張できる。

肢4:誤り。同項は詐欺による取消しのみを対象とするから、強迫の場合は善意無過失のEに対しても取消しの効果を主張できる。

一言まとめ

第三者保護は「虚偽表示は善意のみ」「詐欺は善意無過失」「強迫は保護規定なし」の三段階で覚える。

一問一答各肢の正誤

  1. 肢1Aが、所有権を移転する意思がないにもかかわらず、Bと売買契約を締結した場合に、Bがその真意を知り、又は知ることができたときは、Aは、Bに対して当該契約の無効を主張することができる。

    正しい。相手方が悪意又は有過失であれば、表意者は無効を主張できる。

  2. ×肢2Aが、所有権を移転する意思がないにもかかわらず、Bと通謀して売買契約を締結し、所有権移転登記を済ませた後に、BがAに無断で、その事情を知らない第三者Cに甲を転売した場合に、Cにその事情を知らないことについて過失があるときは、Aは、Cに対して、虚偽表示による当該売買契約の無効を主張することができる。

    誤り。民法第94条第2項は虚偽表示の無効を善意の第三者に対抗できないと定めるだけで、無過失を要件としていないから、善意有過失のCに対しても無効を主張できない。

  3. ×肢3Aが、Bの詐欺を理由として当該売買契約を取り消した場合に、Aの取消し前に、Bが、その事情を知らず、かつその事情を知らないことについて過失のある第三者Dに甲を転売していたときは、Aは、Dに対して取消しの効果を主張することができない。

    誤り。民法第96条第3項により保護されるのは善意でかつ過失がない第三者であり、善意有過失のDは保護されないから、Aは取消しの効果を主張できる。

  4. ×肢4Aが、Bの強迫を理由として当該売買契約を取り消した場合に、Aの取消し前に、Bが、その事情を知らず、かつその事情を知らないことについて過失のない第三者Eに甲を転売していたときは、Aは、Eに対して取消しの効果を主張することができない。

    誤り。同項は詐欺による取消しのみを対象とするから、強迫の場合は善意無過失のEに対しても取消しの効果を主張できる。

関連条文解説で引用

  • 民法第94条第2項
  • 民法第96条第3項

法令基準日:2021年4月1日現在で施行されている規定に基づく。本サイトの解説は学習補助を目的とし、法的助言ではありません。