民法・関連法令法令基準日 2021年4月1日
令和3年度(2021年)管理業務主任者試験 問5
マンションの管理組合Aの管理費に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も不適切なものはどれか。
- 1Aが、管理費を滞納している区分所有者Bに対して、滞納管理費を請求する訴訟を提起し、勝訴した場合には、当該滞納管理費債権は、確定判決を得た時から10年間これを行使しないときは、時効によって消滅する。
- 2Aが、管理費を滞納している区分所有者Cに対して、管理費の支払を催告した場合に、その時から6箇月を経過するまでに管理組合が再度催告をしたときには、再度の催告は時効の完成猶予の効力を有しない。
- 3管理費を滞納している区分所有者Dが、Aに対して、管理費を滞納していることを書面により認めたときは、その時から時効の更新の効力が生じる。
- 4Aの管理規約において、各区分所有者は、Aに対する債務の消滅時効を主張することができない旨が定められていた場合には、区分所有者Eは、滞納した管理費の債務について、時効が完成したとしても、それによる債務の消滅を主張することができない。
正解 肢4
出典:令和3年度 管理業務主任者試験 問5。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説AI解説
本問の論点
滞納管理費債権の消滅時効について、完成猶予と更新の効力、確定判決を得た後の時効期間、時効の利益をあらかじめ放棄させる定めの効力を問う問題である。
正解の根拠
時効の利益は、あらかじめ放棄することができない。したがって、管理規約において各区分所有者が管理組合に対する債務の消滅時効を主張することができない旨を定めても、その定めは効力を有せず、区分所有者Eは時効の完成による債務の消滅を主張することができる。肢4はこれを主張することができないとしており最も不適切である。よって、正解は肢4。
各肢の検討
肢1:適切。民法第147条第2項は、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始めると定める。この場合の時効期間は10年となる。
肢2:適切。民法第150条第2項は、催告によって時効の完成が猶予されている間にされた再度の催告は完成猶予の効力を有しないと定めている。
肢3:適切。債務の承認があったときは時効は更新され、滞納を書面により認めることは承認に当たる。
肢4:不適切。あらかじめ時効の利益を放棄させる規約の定めは効力を有しない。
一言まとめ
催告の繰り返しでは時効を引き延ばせず、規約によって時効の利益を先に放棄させることもできないと覚える。
一問一答各肢の正誤
○肢1Aが、管理費を滞納している区分所有者Bに対して、滞納管理費を請求する訴訟を提起し、勝訴した場合には、当該滞納管理費債権は、確定判決を得た時から10年間これを行使しないときは、時効によって消滅する。
適切。民法第147条第2項は、確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって権利が確定したときは、時効は、同項各号に掲げる事由が終了した時から新たにその進行を始めると定める。この場合の時効期間は10年となる。
○肢2Aが、管理費を滞納している区分所有者Cに対して、管理費の支払を催告した場合に、その時から6箇月を経過するまでに管理組合が再度催告をしたときには、再度の催告は時効の完成猶予の効力を有しない。
適切。民法第150条第2項は、催告によって時効の完成が猶予されている間にされた再度の催告は完成猶予の効力を有しないと定めている。
○肢3管理費を滞納している区分所有者Dが、Aに対して、管理費を滞納していることを書面により認めたときは、その時から時効の更新の効力が生じる。
適切。債務の承認があったときは時効は更新され、滞納を書面により認めることは承認に当たる。
×肢4Aの管理規約において、各区分所有者は、Aに対する債務の消滅時効を主張することができない旨が定められていた場合には、区分所有者Eは、滞納した管理費の債務について、時効が完成したとしても、それによる債務の消滅を主張することができない。
不適切。あらかじめ時効の利益を放棄させる規約の定めは効力を有しない。
関連条文解説で引用
- 民法第147条第2項
- 民法第150条第2項
法令基準日:2021年4月1日現在で施行されている規定に基づく。本サイトの解説は学習補助を目的とし、法的助言ではありません。