民法・関連法令法令基準日 2021年4月1日
令和3年度(2021年)管理業務主任者試験 問10
管理費の滞納が生じたときにとられる通常の民事訴訟によらない法的手段に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 1「内容証明郵便による督促」の場合は、簡便な手続であるが、消滅時効の完成猶予をさせる催告としての効力は生じない。
- 2「支払督促」による場合は、簡易裁判所に申し立てることにより書記官が支払を命ずる簡略な手続であるが、債務者から異議申立てがなされると通常の訴訟に移行してしまう。
- 3「調停」による場合は、弁護士等の専門家に依頼することはできないが、手続が訴訟に比べ簡明であり、調停委員の意見には強制力があることから、紛争が早期に解決される。
- 4「少額訴訟」による場合は、通常訴訟に比べ、少ない経済的負担で迅速かつ効果的に解決することができるが、訴訟の目的の価額が60万円以下に制限されるため、滞納額が60万円を超えるときは、制限額以下に分割したとしてもこの手続を利用できない。
正解 肢2
出典:令和3年度 管理業務主任者試験 問10。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説AI解説
本問の論点
管理費の滞納に対して通常の民事訴訟によらずにとられる手段の特徴を問う問題である。内容証明郵便による督促、支払督促、調停、少額訴訟のそれぞれの効力と限界を比較する必要がある。
正解の根拠
支払督促は、簡易裁判所の書記官が債権者の申立てに基づいて債務者に支払を命ずる簡略な手続であり、債務者から異議の申立てがなされると通常の訴訟手続に移行する。肢2はこの仕組みを正確に述べており最も適切である。よって、正解は肢2。
各肢の検討
肢1:誤り。内容証明郵便による督促も催告であるから、消滅時効の完成猶予をさせる催告としての効力を生ずる。
肢2:正しい。簡易裁判所の書記官による簡略な手続であり、異議の申立てにより通常の訴訟に移行する。
肢3:誤り。調停でも弁護士等の専門家に依頼することができ、調停委員が示す意見に強制力はない。
肢4:誤り。訴訟の目的の価額が制限額以下になるように分割して請求すれば、少額訴訟の手続を利用することができる。
計算過程
少額訴訟の目的の価額の上限は60万円。滞納額が60万円を超える場合でも、請求額を60万円以下に分けて申し立てれば上限を満たすため、手続を利用することができる。
一言まとめ
内容証明は催告として有効、支払督促は異議で訴訟へ、調停の意見に強制力なし、少額訴訟は60万円が上限と並べて覚える。
一問一答各肢の正誤
×肢1「内容証明郵便による督促」の場合は、簡便な手続であるが、消滅時効の完成猶予をさせる催告としての効力は生じない。
誤り。内容証明郵便による督促も催告であるから、消滅時効の完成猶予をさせる催告としての効力を生ずる。
○肢2「支払督促」による場合は、簡易裁判所に申し立てることにより書記官が支払を命ずる簡略な手続であるが、債務者から異議申立てがなされると通常の訴訟に移行してしまう。
正しい。簡易裁判所の書記官による簡略な手続であり、異議の申立てにより通常の訴訟に移行する。
×肢3「調停」による場合は、弁護士等の専門家に依頼することはできないが、手続が訴訟に比べ簡明であり、調停委員の意見には強制力があることから、紛争が早期に解決される。
誤り。調停でも弁護士等の専門家に依頼することができ、調停委員が示す意見に強制力はない。
×肢4「少額訴訟」による場合は、通常訴訟に比べ、少ない経済的負担で迅速かつ効果的に解決することができるが、訴訟の目的の価額が60万円以下に制限されるため、滞納額が60万円を超えるときは、制限額以下に分割したとしてもこの手続を利用できない。
誤り。訴訟の目的の価額が制限額以下になるように分割して請求すれば、少額訴訟の手続を利用することができる。
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