民法・関連法令法令基準日 2017年4月1日
平成29年度(2017年)管理業務主任者試験 問1
A、B及びCは、マンション(マンション管理適正化法第2条第1号に規定するものをいう。以下同じ。)の一住戸を共有しており、その持分は、Aが3分の2、BとCがそれぞれ6分の1である。この場合に関する次の記述のうち、民法、区分所有法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
- 1Aは、BとCの同意を得なくても、当該住戸について、単独で抵当権を設定できる。
- 2Cが当該住戸を単独で占有している場合に、AとBは、Cの持分が少ないからといって、Cに対して明渡しを請求できるとは限らない。
- 3Bが、自らの専有部分の共有持分を放棄したときは、その共有持分は、共用部分及び敷地のBの共有持分とともに、AとCにそれぞれの持分に応じて帰属する。
- 4Cは、当該住戸を不法占拠する第三者に対し、単独で、その明渡しを請求することができる。
正解 肢1
出典:平成29年度 管理業務主任者試験 問1。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説AI解説
本問の論点
マンションの一住戸を複数人で共有する場合における共有者の権限を問う問題である。持分の処分、共有物の使用、持分の放棄、保存行為という四つの場面を区別して判断する必要がある。
正解の根拠
共有者は自己の持分を単独で自由に処分できるが、共有物そのものに抵当権を設定することは持分を超える処分行為にあたり、共有者全員の同意を要する。肢1は住戸全体について単独で抵当権を設定できるとしており、BとCの同意を欠く以上認められない。よって、正解は肢1。
各肢の検討
肢1: 誤り。Aが単独でできるのは自己の持分に抵当権を設定することにとどまり、住戸全体への設定には共有者全員の同意が必要である。
肢2: 正しい。判例は、持分の少ない共有者が共有物を占有していても、多数持分権者は当然には明渡しを請求できないとしている。
肢3: 正しい。放棄された共有持分は他の共有者にその持分割合に応じて帰属し、専有部分と一体である共用部分及び敷地の持分もこれに従う。
肢4: 正しい。不法占拠者に対する明渡請求は共有物の保存行為であり、各共有者が単独で行使できる。
一言まとめ
自己の持分は自由、共有物全体は全員の同意、保存行為は単独、と三段階で覚える。
一問一答各肢の正誤
×肢1Aは、BとCの同意を得なくても、当該住戸について、単独で抵当権を設定できる。
誤り。Aが単独でできるのは自己の持分に抵当権を設定することにとどまり、住戸全体への設定には共有者全員の同意が必要である。
○肢2Cが当該住戸を単独で占有している場合に、AとBは、Cの持分が少ないからといって、Cに対して明渡しを請求できるとは限らない。
正しい。判例は、持分の少ない共有者が共有物を占有していても、多数持分権者は当然には明渡しを請求できないとしている。
○肢3Bが、自らの専有部分の共有持分を放棄したときは、その共有持分は、共用部分及び敷地のBの共有持分とともに、AとCにそれぞれの持分に応じて帰属する。
正しい。放棄された共有持分は他の共有者にその持分割合に応じて帰属し、専有部分と一体である共用部分及び敷地の持分もこれに従う。
○肢4Cは、当該住戸を不法占拠する第三者に対し、単独で、その明渡しを請求することができる。
正しい。不法占拠者に対する明渡請求は共有物の保存行為であり、各共有者が単独で行使できる。
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