民法・関連法令法令基準日 2018年4月1日
平成30年度(2018年)管理業務主任者試験 問1
委任契約に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 1委任とは、当事者の一方が相手方のために法律行為をすることを約し、相手方がこれに対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる契約である。
- 2受任者が、委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、委任者は、現に利益を受けている限度において受任者に対して費用の償還義務を負う。
- 3委任契約が解除された場合に、解除の効力は将来に向かってのみ生じる。
- 4受任者が、委任者に引き渡すべき金額を自己のために消費した場合でも、委任者に損害が生じていないときは、受任者は、利息を支払う義務を負わない。
正解 肢3
出典:平成30年度 管理業務主任者試験 問1。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説AI解説
本問の論点
委任契約について、成立要件、費用償還の範囲、解除の効力、受任者の金銭消費責任を横断的に問う問題である。他の典型契約の定義とすり替える形で誤りが作られており、有償性が成立要件かどうかが分かれ目となる。
正解の根拠
委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方が承諾することによって成立する契約であり、報酬を支払う約束は成立要件ではない。また、委任のような継続的な契約関係の解除に遡及効はなく、その効力は将来に向かってのみ生ずる。したがって、解除の効力が将来に向かってのみ生じるとする記述が正しい。よって、正解は肢3。
各肢の検討
肢1:誤り。報酬を支払う約束を成立要件とする点が誤りであり、委任は無償が原則である。
肢2:誤り。委任事務の処理に必要と認められる費用は、現に利益を受けている限度ではなく、支出した額の償還を請求できる。
肢3:正しい。解除の効力は将来に向かってのみ生ずる。
肢4:誤り。民法第647条第1項は、受任者は、委任者に引き渡すべき金額を自己のために消費したときは、その消費した日以後の利息を支払わなければならないと定めており、損害の発生は要件ではない。
計算過程
正しい記述の数=肢1(0)+肢2(0)+肢3(1)+肢4(0)=1。正しい記述は一つであり、それが肢3である。
一言まとめ
委任は無償が原則、解除は将来効。
一問一答各肢の正誤
×肢1委任とは、当事者の一方が相手方のために法律行為をすることを約し、相手方がこれに対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる契約である。
誤り。報酬を支払う約束を成立要件とする点が誤りであり、委任は無償が原則である。
×肢2受任者が、委任事務を処理するのに必要と認められる費用を支出したときは、委任者は、現に利益を受けている限度において受任者に対して費用の償還義務を負う。
誤り。委任事務の処理に必要と認められる費用は、現に利益を受けている限度ではなく、支出した額の償還を請求できる。
○肢3委任契約が解除された場合に、解除の効力は将来に向かってのみ生じる。
正しい。解除の効力は将来に向かってのみ生ずる。
×肢4受任者が、委任者に引き渡すべき金額を自己のために消費した場合でも、委任者に損害が生じていないときは、受任者は、利息を支払う義務を負わない。
誤り。民法第647条第1項は、受任者は、委任者に引き渡すべき金額を自己のために消費したときは、その消費した日以後の利息を支払わなければならないと定めており、損害の発生は要件ではない。
関連条文解説で引用
- 民法第647条第1項
法令基準日:2018年4月1日現在で施行されている規定に基づく。本サイトの解説は学習補助を目的とし、法的助言ではありません。