KANRI / 2019 / 問5公式正解表どおり

民法・関連法令法令基準日 2019年4月1日

令和元年度(2019年)管理業務主任者試験 問5

Aが、Bに対するCの債務を保証するためBとの間で保証契約を締結する場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。

  1. 1AがCの委託を受けて保証人となり、保証債務を弁済した場合において、BがC所有の不動産に抵当権の設定を受けていたときは、Aは、Bの同意を得なければ、Bに代位して当該抵当権を実行することができない。
  2. 2AがCの委託を受けずに保証人となったが、それがCの意思に反する場合において、AがCに代わり弁済をしたときは、Aは、弁済の当時にCが利益を受けた限度で求償することができる。
  3. 3BC間で特定物の売買を内容とする契約が締結され、売主Cの目的物引渡債務についてAが保証人となった場合において、Aは、Cの債務不履行により契約が解除されたときの代金返還債務については、特に保証する旨の意思表示のない限り、責任を負わない。
  4. 4AがCの委託を受けずに保証人となった場合において、Aは、Cに対し、事前の求償権を行使することはできない。

正解 肢4

出典:令和元年度 管理業務主任者試験 問5。本サイトは非公式の学習サイトです。

解説AI解説

本問の論点

保証人の求償権と弁済による代位を問う問題である。委託の有無で求償の範囲と事前求償権の可否が変わること、代位が法律上当然に生じること、特定物売買の売主の保証人の責任範囲が問われる。

正解の根拠

民法第460条第1項は、保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、一定の事由があるときに限り、あらかじめ求償権を行使することができると定めている。事前求償権が認められるのは委託を受けた保証人だけである。AはCの委託を受けずに保証人となっているから、事前の求償権を行使することはできない。よって、正解は肢4。

各肢の検討

肢1: 誤り。弁済をした保証人は法律上当然に債権者に代位するから、債権者Bの同意を得なくても抵当権を実行することができる。

肢2: 誤り。民法第462条第2項により、主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有する。弁済の当時を基準とするのは同条第1項の場合である。

肢3: 誤り。判例によれば、特定物売買における売主の保証人は、特に反対の意思表示がない限り、解除による代金返還債務についても責任を負う。

肢4: 正しい。事前求償権は委託を受けた保証人に限って認められる。

一言まとめ

委託の有無で求償は三段階に分かれ、事前求償ができるのは委託を受けた保証人だけである。

一問一答各肢の正誤

  1. ×肢1AがCの委託を受けて保証人となり、保証債務を弁済した場合において、BがC所有の不動産に抵当権の設定を受けていたときは、Aは、Bの同意を得なければ、Bに代位して当該抵当権を実行することができない。

    誤り。弁済をした保証人は法律上当然に債権者に代位するから、債権者Bの同意を得なくても抵当権を実行することができる。

  2. ×肢2AがCの委託を受けずに保証人となったが、それがCの意思に反する場合において、AがCに代わり弁済をしたときは、Aは、弁済の当時にCが利益を受けた限度で求償することができる。

    誤り。民法第462条第2項により、主たる債務者の意思に反して保証をした者は、主たる債務者が現に利益を受けている限度においてのみ求償権を有する。弁済の当時を基準とするのは同条第1項の場合である。

  3. ×肢3BC間で特定物の売買を内容とする契約が締結され、売主Cの目的物引渡債務についてAが保証人となった場合において、Aは、Cの債務不履行により契約が解除されたときの代金返還債務については、特に保証する旨の意思表示のない限り、責任を負わない。

    誤り。判例によれば、特定物売買における売主の保証人は、特に反対の意思表示がない限り、解除による代金返還債務についても責任を負う。

  4. 肢4AがCの委託を受けずに保証人となった場合において、Aは、Cに対し、事前の求償権を行使することはできない。

    正しい。事前求償権は委託を受けた保証人に限って認められる。

関連条文解説で引用

  • 民法第460条第1項
  • 民法第462条第2項

法令基準日:2019年4月1日現在で施行されている規定に基づく。本サイトの解説は学習補助を目的とし、法的助言ではありません。