民法・関連法令法令基準日 2022年4月1日
令和4年度(2022年)管理業務主任者試験 問9
管理費の滞納に関する次の記述のうち、民法及び民事訴訟法によれば、最も適切なものはどれか。
- 1管理組合が、管理費の滞納者に対し、滞納管理費の支払を内容証明郵便で請求した後、その時から6 箇月を経過するまでの間に、再度、滞納管理費の支払を内容証明郵便で請求すれば、あらためて時効の完成猶予の効力が生じる。
- 2管理費を滞納している区分所有者が死亡した場合、遺産分割によって当該マンションを相続した相続人が滞納債務を承継し、他の相続人は滞納債務を承継しない。
- 3管理費の滞納者が、滞納額25万円の一部であることを明示し、管理組合に対し5 万円を支払った場合には、残りの20万円については、時効の更新の効力を有する。
- 4管理費の滞納者が行方不明になった場合には、管理組合は、当該滞納者に対し、滞納管理費の支払についての訴えを提起することができない。
正解 肢3
出典:令和4年度 管理業務主任者試験 問9。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説AI解説
本問の論点
滞納管理費債権の消滅時効をめぐり、催告を繰り返した場合の効力、相続による滞納債務の承継、一部弁済の意味、行方不明の債務者に対する提訴の可否を問う問題である。時効の完成猶予と時効の更新の区別が中心となる。
正解の根拠
滞納額の一部であることを明示してされた弁済は、債務全体が存在することを前提とする承認にあたり、弁済した部分にとどまらず残額を含む債権全体について時効の更新の効力を生ずる。滞納額25万円のうち5万円が支払われれば、残りの20万円についても時効は新たにその進行を始める。よって、正解は肢3。
各肢の検討
肢1: 誤り。内容証明郵便による請求は催告にすぎず、民法第150条第2項は、催告によって時効の完成が猶予されている間にされた再度の催告は完成猶予の効力を有しないと定める。
肢2: 誤り。金銭債務は相続の開始とともに各共同相続人が相続分に応じて当然に分割して承継し、遺産分割の結果により承継者が一人に限られるものではない。
肢3: 正しい。一部弁済は承認であり、残額についても時効が更新される。
肢4: 誤り。所在が不明でも公示送達の方法により訴えを提起することができる。
計算過程
滞納額25万円-弁済額5万円=残額20万円。この20万円全部について時効の更新の効力が及ぶ。
一言まとめ
催告は一度きりの猶予、承認は時効を振り出しに戻す効果と整理する。
一問一答各肢の正誤
×肢1管理組合が、管理費の滞納者に対し、滞納管理費の支払を内容証明郵便で請求した後、その時から6 箇月を経過するまでの間に、再度、滞納管理費の支払を内容証明郵便で請求すれば、あらためて時効の完成猶予の効力が生じる。
誤り。内容証明郵便による請求は催告にすぎず、民法第150条第2項は、催告によって時効の完成が猶予されている間にされた再度の催告は完成猶予の効力を有しないと定める。
×肢2管理費を滞納している区分所有者が死亡した場合、遺産分割によって当該マンションを相続した相続人が滞納債務を承継し、他の相続人は滞納債務を承継しない。
誤り。金銭債務は相続の開始とともに各共同相続人が相続分に応じて当然に分割して承継し、遺産分割の結果により承継者が一人に限られるものではない。
○肢3管理費の滞納者が、滞納額25万円の一部であることを明示し、管理組合に対し5 万円を支払った場合には、残りの20万円については、時効の更新の効力を有する。
正しい。一部弁済は承認であり、残額についても時効が更新される。
×肢4管理費の滞納者が行方不明になった場合には、管理組合は、当該滞納者に対し、滞納管理費の支払についての訴えを提起することができない。
誤り。所在が不明でも公示送達の方法により訴えを提起することができる。
関連条文解説で引用
- 民法第147条第1項第1号
- 民法第147条第2項
- 民法第150条第1項
- 民法第150条第2項
- 民法第151条第1項
- 民法第151条第3項
- 民法第153条第3項
- 民法第160条第1項
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