KANRI / 2023 / 問4公式正解表どおり

民法・関連法令法令基準日 2023年4月1日

令和5年度(2023年)管理業務主任者試験 問4

管理組合法人Aと施工会社Bとのマンションの外壁補修工事請負契約における工事代金に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。

  1. 1Bが、Aに対し契約で定めた工事代金より高い金額を請求したところ、Aがそれに気づかずに請求された金額を支払った場合には、Aは、Bに対し、過払い分の返還を請求することはできない。
  2. 2BのAに対する請負代金債権について、AB間においてその譲渡を禁止する旨の特約があった場合に、BがAの承諾を得ないで行った当該債権の第三者に対する譲渡は無効である。
  3. 3AのBに対する請負代金債務について、Aの理事が当該債務を保証する旨の契約をBとの間で締結する場合に、その契約は、口頭の合意によっても成立する。
  4. 4AのBに対する請負代金の支払期日の前日に、地震で管理事務室が損壊したため、Aが支払期日にその代金を支払うことができなかった場合でも、Aは、Bに対する債務不履行責任を免れない。

正解 肢4

出典:令和5年度 管理業務主任者試験 問4。本サイトは非公式の学習サイトです。

解説AI解説

本問の論点

請負代金をめぐり、過払金の返還、譲渡制限の意思表示がある債権の譲渡、保証契約の方式、金銭債務と不可抗力の四点を問う。

正解の根拠

金銭の給付を目的とする債務については、債務者は不可抗力をもって抗弁とすることができないものとされている。民法第415条第1項は、債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは債権者が損害賠償を請求できるとし、そのただし書で、債務の不履行が債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときはこの限りでないと定めるが、金銭債務にはこの免責が及ばない。よって、正解は肢4。

各肢の検討

肢1:不適切。債務が存在しないことを知らずに弁済した者は、過払分の返還を請求することができる。

肢2:不適切。債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示をしたときであっても譲渡の効力は妨げられず、承諾がなくても有効である。

肢3:不適切。保証契約は書面でしなければその効力を生じず、口頭の合意では成立しない。

肢4:適切。地震という不可抗力があっても、金銭債務の不履行について責任を免れない。

計算過程

過払金の返還請求額=実際に支払った額−契約で定めた工事代金の額。Aは気づかずに支払っており、この差額の全部の返還を請求できる。

一言まとめ

金銭債務は「不可抗力でも免責されない」が結論。保証は書面、譲渡制限付債権の譲渡も有効、とセットで押さえる。

一問一答各肢の正誤

  1. ×肢1Bが、Aに対し契約で定めた工事代金より高い金額を請求したところ、Aがそれに気づかずに請求された金額を支払った場合には、Aは、Bに対し、過払い分の返還を請求することはできない。

    不適切。債務が存在しないことを知らずに弁済した者は、過払分の返還を請求することができる。

  2. ×肢2BのAに対する請負代金債権について、AB間においてその譲渡を禁止する旨の特約があった場合に、BがAの承諾を得ないで行った当該債権の第三者に対する譲渡は無効である。

    不適切。債権の譲渡を禁止し、又は制限する旨の意思表示をしたときであっても譲渡の効力は妨げられず、承諾がなくても有効である。

  3. ×肢3AのBに対する請負代金債務について、Aの理事が当該債務を保証する旨の契約をBとの間で締結する場合に、その契約は、口頭の合意によっても成立する。

    不適切。保証契約は書面でしなければその効力を生じず、口頭の合意では成立しない。

  4. 肢4AのBに対する請負代金の支払期日の前日に、地震で管理事務室が損壊したため、Aが支払期日にその代金を支払うことができなかった場合でも、Aは、Bに対する債務不履行責任を免れない。

    適切。地震という不可抗力があっても、金銭債務の不履行について責任を免れない。

関連条文解説で引用

  • 民法第415条第1項

法令基準日:2023年4月1日現在で施行されている規定に基づく。本サイトの解説は学習補助を目的とし、法的助言ではありません。