民法・関連法令法令基準日 2023年4月1日
令和5年度(2023年)管理業務主任者試験 問29
甲マンションの住戸101号室をA、B、Cの3 人が共有し、住戸102号室を所有者に無断でDが占有している場合に関する次の記述のうち、民法、区分所有法及び判例によれば、最も適切なものはどれか。
- 1A、B、Cは、共有する区分所有権について5 年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をしていた場合であっても、いつでも101号室の区分所有権の分割を請求することができる。
- 2101号室の区分所有権について、Aが分割を請求した場合、A、B、Cの協議が調わないときは、裁判上の現物分割はできずに競売による方法しか認められない。
- 3Dは、102号室の専有部分の区分所有権について時効によって取得した場合でも、共用部分の共有持分については、時効により取得することはできない。
- 4102号室について、Dは、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ、公然と占有をするものと推定される。
正解 肢4
出典:令和5年度 管理業務主任者試験 問29。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説AI解説
本問の論点
区分所有権が共有に属する場合の分割請求と、無権原で専有部分を占有する者の占有についての推定を問う問題である。分割の方法と推定規定の区別が鍵となる。
正解の根拠
民法第186条第1項は、占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ、公然と占有をするものと推定すると定める。この推定は占有の開始が無断であっても働き、争う側が覆す責任を負う。よって、正解は肢4。
各肢の検討
肢1: 不適切。民法第256条第1項は、各共有者はいつでも分割を請求できるとしつつ、ただし書で五年を超えない期間内は分割をしない旨の契約を妨げないとしており、特約がある間は請求できない。
肢2: 不適切。民法第258条第2項第1号は現物を分割する方法を掲げ、同条第3項は、その方法によれないとき等にはじめて競売を命じうるとする。現物分割ができないというのは誤りである。
肢3: 不適切。共用部分の共有持分は専有部分の処分に従うから、区分所有権を時効取得した者は共用部分の共有持分も取得する。
肢4: 適切。民法第186条第1項の推定がそのまま当てはまる記述である。
一言まとめ
推定されるのは所有の意思、善意、平穏、公然の四つであり、無過失は推定されない。
一問一答各肢の正誤
×肢1A、B、Cは、共有する区分所有権について5 年を超えない期間内は分割をしない旨の契約をしていた場合であっても、いつでも101号室の区分所有権の分割を請求することができる。
不適切。民法第256条第1項は、各共有者はいつでも分割を請求できるとしつつ、ただし書で五年を超えない期間内は分割をしない旨の契約を妨げないとしており、特約がある間は請求できない。
×肢2101号室の区分所有権について、Aが分割を請求した場合、A、B、Cの協議が調わないときは、裁判上の現物分割はできずに競売による方法しか認められない。
不適切。民法第258条第2項第1号は現物を分割する方法を掲げ、同条第3項は、その方法によれないとき等にはじめて競売を命じうるとする。現物分割ができないというのは誤りである。
×肢3Dは、102号室の専有部分の区分所有権について時効によって取得した場合でも、共用部分の共有持分については、時効により取得することはできない。
不適切。共用部分の共有持分は専有部分の処分に従うから、区分所有権を時効取得した者は共用部分の共有持分も取得する。
○肢4102号室について、Dは、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ、公然と占有をするものと推定される。
適切。民法第186条第1項の推定がそのまま当てはまる記述である。
関連条文解説で引用
- 民法第186条第1項
- 民法第256条第1項
- 民法第258条第2項第1号
- 民法第258条第3項
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