民法・関連法令法令基準日 2024年4月1日
令和6年度(2024年)管理業務主任者試験 問3
契約の解除に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
- 1委任者は、受任者に不利な時期になる場合や、当該委任契約が受任者の利益(専ら報酬を得ることによるものを除く。)をも目的とする場合には、委任者にやむを得ない事由がない限り、当該契約を解除することができない。
- 2管理組合が発注した大規模修繕工事契約は、施工会社がその修繕に着手した後は、管理組合の側からは、その損害を賠償しても当該契約を解除することができない。
- 3管理組合が購入した防災用発電機に契約不適合がある場合に、当該契約不適合部分についての履行の追完請求としての修補請求や代金減額請求はできるが、当該売買契約を解除することはできない。
- 4管理組合が、第三者に賃貸している敷地上の駐車場に対して行った保存行為が、第三者の意思に反する場合であっても、駐車場の目的を達することができるかぎり、第三者は、当該駐車場賃貸借契約を解除することができない。
正解 肢4
出典:令和6年度 管理業務主任者試験 問3。本サイトは非公式の学習サイトです。
解説AI解説
本問の論点
契約の解除に関する民法の規定について、最も適切なものを選ぶ問題である。委任、請負、売買の契約不適合、賃借人の意思に反する保存行為の四つの場面が問われている。
正解の根拠
民法第607条第1項は、賃貸人が賃借人の意思に反して保存行為をしようとする場合において、そのために賃借人が賃借をした目的を達することができなくなるときは、賃借人は契約の解除をすることができると定めている。解除が認められるのは賃借の目的を達することができなくなる場合に限られるから、目的を達することができる限り、賃借人である第三者は解除をすることができない。本肢はこの内容に合致する。よって、正解は肢4。
各肢の検討
肢1: 民法第651条第1項は、委任は各当事者がいつでもその解除をすることができると定めており、やむを得ない事由がなければ解除できないとする点で不適切。
肢2: 請負では、注文者は仕事が完成しない間、損害を賠償して契約の解除をすることができるから、着手後は解除できないとする点で不適切。
肢3: 売買の目的物に契約不適合があるときは、追完請求や代金減額請求のほか、催告をしたうえでの解除も認められるから、不適切。
肢4: 民法第607条第1項の内容に合致し、適切。
一言まとめ
委任はいつでも解除できるのが原則で、不利な時期の解除は賠償の問題になると押さえる。
一問一答各肢の正誤
×肢1委任者は、受任者に不利な時期になる場合や、当該委任契約が受任者の利益(専ら報酬を得ることによるものを除く。)をも目的とする場合には、委任者にやむを得ない事由がない限り、当該契約を解除することができない。
民法第651条第1項は、委任は各当事者がいつでもその解除をすることができると定めており、やむを得ない事由がなければ解除できないとする点で不適切。
×肢2管理組合が発注した大規模修繕工事契約は、施工会社がその修繕に着手した後は、管理組合の側からは、その損害を賠償しても当該契約を解除することができない。
請負では、注文者は仕事が完成しない間、損害を賠償して契約の解除をすることができるから、着手後は解除できないとする点で不適切。
×肢3管理組合が購入した防災用発電機に契約不適合がある場合に、当該契約不適合部分についての履行の追完請求としての修補請求や代金減額請求はできるが、当該売買契約を解除することはできない。
売買の目的物に契約不適合があるときは、追完請求や代金減額請求のほか、催告をしたうえでの解除も認められるから、不適切。
○肢4管理組合が、第三者に賃貸している敷地上の駐車場に対して行った保存行為が、第三者の意思に反する場合であっても、駐車場の目的を達することができるかぎり、第三者は、当該駐車場賃貸借契約を解除することができない。
民法第607条第1項の内容に合致し、適切。
関連条文解説で引用
- 民法第607条第1項
- 民法第651条第1項
法令基準日:2024年4月1日現在で施行されている規定に基づく。本サイトの解説は学習補助を目的とし、法的助言ではありません。